八重瀬町(玻名城):玻名城のお宮、んぢゃ井、安里之殿、多々名城、汗水節之碑

八重瀬町の玻名城集落内を散策。

玻名城のお宮

玻名城のバス停から海側の路地に入り、左手に少し歩いたところにある。このお宮には、およそ二百三十年前、中国からの帰りに遭難しかけた潮平ヌペークーを、媽祖となって助けた彼の一人娘の伝承が残されている。村人たちは彼女を部落の守り神とし、このお宮を建立したのだそうだ。祠の右側の大きな木の下には、香炉が一つ置かれた拝所もあった。(参考:『具志頭村史 第五巻 村落編二 字史』平成十七年三月三十一日 具志頭村、p422:第六章 玻名城字史 第十六節 史跡 三 玻名城のお宮 --- 社殿には媽祖となった娘の霊、祖霊神(御嶽など)、神道の神が祀られている。)


んぢゃ井

玻名城のお宮の前の路地を奥に少し進んだところにある。かつての花城部落の住民や、花グスク(多々名グスク)の人々の水源として利用されていたのだそうだ。林の中の岩の前に大きな窪みがあり、その底に落ち葉が堆積していた。


安里之殿

んぢゃ井の前の砂利道を、東に向かってしばらく進んだところにある。かつてこの辺りにあった、安里部落の祭祀場。ブロックの囲いの中に石積みの拝所があり、その中に霊石のようなものが祀られている。


多々名城

社会体育館前の道路沿いにある、多々名城の案内板(電柱の左下)。多々名城は、その後方の山の頂上付近にあるらしい。案内板には「この急な坂道を登りつめた〜」云々とあるが、案内板の付近に道らしきものは見当たらず、鬱蒼としていて登れそうにもない。右下に見えている階段の先には「汗水節之碑」の石碑がある。(参考:『具志頭村史 第五巻 村落編二 字史』平成十七年三月三十一日 具志頭村、p422、『具志頭村文化財 文化財要覧第1集』平成9年3月、具志頭村教育委員会、p21)

汗水節之碑

具志頭村出身の仲本稔が作詞した「汗水節」の作詞五十五周年、仲本の生誕八十年を記念して建てられた汗水節之碑。作曲は宮良長包。石碑の横には、仲本稔の略歴を記した碑文も建てられている。